Web制作を外部の制作会社に依頼することになりました。
複数の会社から提案をもらい、その中から依頼先を決める必要があります。
でも、これまで取引していた制作会社はありません。
「提案をお願いするには、どういう手順が必要なのだろう?」
そこから始まりました。
私は以前、Webデザイナーとして仕事をしていました。
ただ、インハウスのWebデザイナーだったときは、外部の制作会社へ発注する必要がありませんでした。
客先に常駐していたときも、制作の依頼はMTGを設けて受けることがほとんどでした。
そのため、Web制作の経験はあっても、制作会社へ仕事を依頼する側として何を準備すればいいのかは知りませんでした。
RFPという言葉も、このとき初めて知りました。
制作会社に渡す資料が必要だと思った
最初から「RFPを作ろう」と考えていたわけではありません。
そもそも、RFP(Request for Proposal/提案依頼書)というものを知りませんでした。
ただ、初めてやり取りする制作会社に、
「こういうWebページを作りたいです。提案してください」
とだけ伝えても、さすがに難しいだろうと思いました。
そこで、提案してもらうために必要そうなことを、自分なりに書き出していきました。
そして、資料を作っている途中で、
「こういう資料をRFPというらしい」
と知りました。
目的は決まっていた。でも、それだけでは足りなかった
今回のWebページは、何のために作るのかは最初から比較的はっきりしていました。
なので、目的が分からなくてRFPが書けなかったわけではありません。
難しかったのは、
「どこまで具体的に書けば、制作会社に意図が伝わるのか」
でした。
たとえば、ドナーペルソナ(寄付してくれる人の具体的な人物像)まで共有した方がいいのか。
参考にしてほしい具体例をどこまで出すのか。
逆に、こちらで細かく決めすぎると、制作会社から提案してもらう意味がなくなるのではないか。
どこまでこちらで決めて、どこから制作会社に任せるのか。
その距離感が分かりませんでした。
そして、あとから「入れておけばよかった」と思ったものもあります。
自分たちの組織についての説明です。
制作会社へ最初に連絡したメールでは、どんな組織なのかを簡単に説明していました。
そのため、RFPにも書くという発想が抜けていました。
でも、初めてやり取りする会社であれば、RFPだけを見ても、どんな組織からの依頼なのか分かるようにしておいた方がよかったと思います。
何をしている組織なのか。
どんな活動をしているのか。
Webサイトは何のために使われているのか。
制作するページの背景だけではなく、そのページを作る組織そのものについても伝える必要がありました。
特に、非営利団体との実績がない制作会社に依頼する場合には、丁寧に説明する必要があったと思います。
「いい具合にお任せしたい」では済まなかった
特に難しかったのが、UIやUXです。
こちらとしては、細かな設計まで指定するより、制作会社に知見があるのだから、目的に合わせて最適なものを提案してほしいと思っていました。
実際のRFPにも、必要な情報へ迷わずアクセスできる導線や、読みやすさ・見やすさなど、実現したい方向性を書いていました。
そのうえで、デザインやUI/UXについては、制作会社の専門的な知見を踏まえた提案をお願いしていました。
私としては、
「このあたりは、いい具合にお任せしたい」
という感覚でした。
ところが、実際に制作会社と話してみると、
「どの程度を想定していますか」
といった確認が入ります。
考えてみれば、「読みやすい」「見やすい」「使いやすい」だけでは、人によってイメージが違います。
制作会社に任せたいからといって、こちらが何も決めなくていいわけではありませんでした。
かといって、すべてをこちらで決めるのも違う気がします。
このあたりは今でも難しいところです。
聞かれて初めて気づいた「選考基準」
制作会社とのやり取りで、特に印象に残った質問があります。
「選考基準は何ですか?」
という質問です。
これは、最初に作ったRFPには入れていませんでした。
制作会社に何を作ってほしいのかは考えていました。
でも、
「複数社から提案をもらったあと、何を基準に選ぶのか」
までは十分に考えていませんでした。
価格なのか。
デザインなのか。
企画の内容なのか。
制作体制なのか。
運用のしやすさなのか。
何を重視するかによって、制作会社から出てくる提案も変わるはずです。
提案を受け取ってから考えるのではなく、依頼する時点で、自分たちが何を大事にしているのか整理しておく必要があると分かりました。
公開後のことも、もう少し具体的に考える必要があった
公開後の運用については、何も考えていなかったわけではありません。
継続してコンテンツを増やしていきたいことや、将来的にページが増えることは想定していました。
でも、今振り返ると、もう一段具体的に考えておいてもよかったと思います。
次回も掲載する項目は同じなのか。
毎回変わる部分はどこなのか。
「読みやすい」「見やすい」を、具体的にどんな状態として考えるのか。
大きな方向性は決まっていても、実際のWebページに落とし込むところには、まだ決めることがありました。
制作会社へ提案をお願いする前に、具体例を見ながら壁打ちする時間を取ってもよかったと思っています。
次にRFPを作るなら、確認したいこと
今回の経験を踏まえて、次に私がWeb制作のRFPを作るなら、少なくとも次のことは確認したいと思っています。
| 確認すること | 考えておきたいこと |
|---|---|
| 組織について | どんな組織で、どんな活動をしているのか |
| 制作の背景・目的 | なぜこのWebページを作るのか |
| 誰に見てもらうか | 主な閲覧者は誰なのか |
| 見たあとどうしてほしいか | 読む、申し込む、寄付するなど、期待する行動は何か |
| 掲載する内容 | 何を載せたいのか、何を一番伝えたいのか |
| UI/UX | 「読みやすい」「使いやすい」をどこまで具体的に伝えるか |
| 参考にしたいもの | イメージに近いWebサイトや具体例はあるか |
| 制作範囲 | どこまでを制作会社に依頼するのか |
| 納品・公開方法 | どのような形で納品・公開してもらうのか |
| サーバーなどの環境 | 制作・公開にあたって事前に伝える制約はないか |
| 公開後の運用 | 誰が、どのように更新していくのか |
| 将来の更新 | コンテンツが増えたとき、どのように追加するのか |
| スケジュール | 提案、制作、確認、公開までをどう進めるのか |
| 予算 | どの範囲までを予算に含めるのか |
| 提案してほしいこと | 制作会社の知見を借りたい部分はどこなのか |
| 選考基準 | 返ってきた提案を何で比較するのか |
これは「Web制作のRFPには、この項目を必ず入れるべき」というテンプレートではありません。
あくまで、今回初めてRFPを作ってみた私が、次に作るなら確認しておきたいことです。
まだ実際にもう一度作ったわけではないので、次回はまた別の「足りなかったこと」が出てくるかもしれません。
RFPは、制作会社のためだけの資料ではなかった
最初は、RFPを
「制作会社にこちらの要望を伝えるための資料」
だと思っていました。
もちろん、それも大切な役割だと思います。
でも、実際に作ってみて、それ以上に感じたことがあります。
RFPを書くには、
何のために作るのか。
誰に見てもらうのか。
何を載せるのか。
どこまで作ってもらうのか。
公開したあと、どうするのか。
そして、どんな提案を良いと思うのか。
一つずつ考えなければなりません。
つまりRFPは、制作会社に説明するためだけではなく、
「自分たちは何をしたいのか」を整理するための資料でもありました。
作るのは簡単ではありませんでした。
どこまで書けばいいのか、今でも正解は分かりません。
制作会社との関係性によっても、必要な細かさは違うと思います。
ただ、初めてやり取りする制作会社に依頼するのであれば、しっかり準備しておくことで、自分たちのやりたいことを伝えやすくなります。
そして、自分たちだけでは足りないところを、制作会社に補ってもらうための土台にもなる。
初めてRFPを作ってみて、私はそう考えるようになりました。